KTC大学連携型地域知財モデル事業

平成28年度 第一回KTC大学合同新技術説明会(テーマ:自動車)

金属材料表面へのクラッド層形成方法

新技術の概要(発明のポイント)

シーム溶接機を用いて、ジュール熱により粉末層内の低融点物質を溶融凝固させてクラッド層を形成する抵抗クラッディング法は、被覆層を薄く出来るので、軽量化が可能となり、気孔を減少させることができる。金属表面へのWC(タングステンカーバイド)等による耐摩耗性クラッド層形成により耐摩耗性が向上する。耐摩耗性が要求される様々な機械部品での応用が考えられる。

従来技術・競合技術との比較

低融点ロウ材を使用する方法では耐摩耗性の向上を制限するという問題があったが、WC(タングステンカーバイド)の粒度を小さくすること、又はWC-Co系材料を用いることで、低融点ロウ材を用いなくても抵抗クラッディング法でWC被覆する技術を開発した。

新技術の特徴

母材中のFeがクラッド層内に溶融・拡散することで母材とクラッド層の強固な接合性が得られる。
クラッド層は、ロウ材を用いていないので、高い耐摩耗性を有する。
アーク肉盛り溶接と比較すると、高所や狭所での作業性が良い。
アーク肉盛り溶接と比較すると熱影響が小さいので、薄板にも適用できる。
クラッド層形成装置としては、シーム溶接機が好適であるが、スポット溶接機等の溶接機も使える。

想定される用途

・耐摩耗性が要求される機械部品

特許情報

[出願番号]特願2006-184159

[出願公開広報の発行状況]発行済