KTC大学連携型地域知財モデル事業

平成28年度 第一回KTC大学合同新技術説明会(テーマ:自動車)

鉄粉を利用した新しい表面改質法

新技術の概要(発明のポイント)

チタンやクロムに対して、その表面に窒素を主体的に拡散させ、硬化させる技術について紹介します。具体的には、耐熱坩堝の中に『鉄粉や炭素粉から成る混合粉末を入れたコンテナ』と被処理材を別々に置き、窒素フロー中で1000℃付近に加熱・保持します。窒素を導入可能な電気炉があれば簡単に実施できるところがポイントです。

従来技術・競合技術との比較

チタンはこれまで、プラズマ浸炭やプラズマ窒化のような特殊な表面改質装置を使って処理されてきました。これが『鉄粉』の利用によって容易に表面改質できることを示したのが、特許第5927646号になります。この場合の欠点である“鉄粉の付着”や“炭素を主体とした拡散”を改善したのが本法になります。

新技術の特徴

高温の窒素フローに曝された容器(耐熱坩堝)の中に、鉄粉と炭素粉から成る混合粉末のコンテナとチタンを置けば、窒素が主体的にチタン中に拡散されます。混合粉末がなければ、チタンは酸化されます。すなわち、混合粉末の存在が容器内の雰囲気から酸素を取り除いたとも言えます。このため、ガスフィルターとしての利用も期待できます。

想定される用途

・自動車等の機械部品
・クロムめっき皮膜の高機能化
・ガスフィルター

特許情報

[出願番号]特願2015-179368、特許第5927646号

[出願公開広報の発行状況]未発行