KTC大学連携型地域知財モデル事業

平成28年度 第一回KTC大学合同新技術説明会(テーマ:自動車)

非共溶性混合媒体を用いた革新的高性能沸騰冷却

新技術の概要(発明のポイント)

非共溶性混合媒体の自己圧縮作用を沸騰冷却に利用することにより、(1)超高熱流束、(2)大面積冷却、(3)冷却面温度の低減、(4)正圧作動による不凝縮気体の混入防止、(5)沸騰開始時の冷却面温度の安定化などを同時に実現する。

従来技術・競合技術との比較

・従来、限界熱流束の増大には大掛かりな機器の追加による高サブクール度設定や冷却面の化学的・物理的加工等による方法しかなく、冷却システムの複雑化や長期間作動に対する信頼性低下を回避できなかった。一方、限界熱流束の大きな水では減圧作動にしないかぎり、冷却面温度の上昇を抑えられず、空気混入による凝縮阻害が生じ、さらに水では沸騰開始時の冷却面温度も不安定となる。

新技術の特徴

・沸騰冷却を適用する際に従来生じた問題点をことごとく改善できる方法である
・ 特定の組合せの非共溶液体を所定量加えるだけという非常に簡便な 方法で沸騰性能を著しく改善できる
・密閉容器内のプール沸騰だけでなく、若干の工夫により強制流動沸騰にも適用でき、発熱体の冷却部と最終放熱部とを分離することにより広範囲の適用が可能となる

想定される用途

・ ハイブリッド自動車用などのインバータ冷却
・ Si またはSiCなどの半導体を使用した小型電子機器の冷却
・ その他、沸騰冷却の適用対象のすべてに有効

特許情報

[出願番号]特願2014-523796

[出願公開広報の発行状況]発行済